5月後半から7月のわずか2か月だけ出回る
感動のホクホクの食感!
静岡県産
「三方原馬鈴薯」
日本全国、通年切れ間なく流通するじゃがいも。
そのなかに、5月後半から7月のわずか約2か月間だけ出回る
『三方原(みかたはら)馬鈴薯』があります。
新じゃがのなかでも、肌がひと際美しく、その見た目からも是非覚えていただきたいです。
感動のホクホク食感!
三方原馬鈴薯(男爵)はふかすと、どの男爵よりもホクホクとした食感が際立ちます。
でんぷん含有量の値である「ライマン価」が他に比べて高いためです。
じゃがいもの風味は力強く、素材を活かしたシンプルな料理が一番です。
「じゃがバター」でしたら、これ以上相性の良い馬鈴薯はないでしょう。バターのコクと甘い風味で口福です。醤油の香ばしさを加えても良いです。酒好きは塩辛をのせてもいいです。
コロッケやポテトサラダなどは、いつもとひと味違う仕上がりに!
美味しさの秘密
「赤土だからではなく、
赤土でつくりこなすから。」
三方原台地の土質は赤土です。
ミネラルに富む赤土は味わいにコクや深みを与えるといわれています。
しかし、同条件の産地は他にもあります。ではなぜ、三方原馬鈴薯がひと味違う、のか。
それは三方原では「赤土で(馬鈴薯を)つくりこなすから」です。
土への向き合い方
赤土は粘性で耕しづらく、水はけもそれほど良くありません。じゃがいもにとって特別良い条件でもありません。
しかし、三方原の農家は口をそろえて「程よい水はけですよ」と話します。
その証拠にパウダースノーのようなこの土。孔隙によって保水性と排水性が兼ね備えられた状態です。
この土が美味しさを引き出します。
実は、丁寧な土壌改良を行うことで、右のようなゴロゴロ状から、左のようなサラサラ状へ変化します。
この状態を目指して、JAとぴあ浜松の指導員と二人三脚に毎年土壌診断を行い、適正な施肥管理をします。
土中の塊茎、じゃがいも。
土のパワーをダイレクトに吸収する作物です。この丁寧な土づくりが味わいに直結するのは言うまでもありません!
そこへ太陽が味方する。
三方原台地は全国でも有数の日照時間を誇ります。
降り注ぐ日光を樹が存分に浴びることで、デンプンをたっぷりと蓄えます。
これが三方原馬鈴薯特有のホクホクとした食感を引き出すのです。
収穫は晴れた日に行います。
堀りたての三方原馬鈴薯はパールのように白く光って見えます。
奥様方は手のひらを上にして、卵を扱うようにコンテナに並べていきます。
せっかくの綺麗な肌に打ちアザをつけないためです。
広大な大地で大量にゴロゴロと収穫されるようなシーンと三方原の収穫シーンはまるで異なります。
「みるい馬鈴薯の味はよくない」
部会では完熟収穫を徹底しています。
みるい馬鈴薯※(みるい、遠州弁で若い)はなまじ高いでんぷん価が記録されても風味が乗りきっていないのです。
完熟の合図である、葉の枯れあがりを待って収穫します。
この箱が目印です!
「三方原馬鈴薯ブランド」
収穫後は、農家の手元で3日間、選果場で3日間、計6日間かけてじっくり風乾します。
乾ききっていない土で、外皮を傷つけないためです。
その後にライマン価や空洞果をセンサー選別します。すべての基準をクリアしたものが、やっと「三方原馬鈴薯」として出荷されます。
ここまでするのが、三方原馬鈴薯ブランドの味です。
その品質の高さから全国の市場関係者からもお墨付きを得ています。
この箱が目印です!JAとぴあ浜松馬鈴薯選果場をクリアした
「三方原馬鈴薯」をご堪能ください!
食文化:鈴木 愛理