昭和25年から継ぎ足し受け継がれてきた
特製のたれで作る
福島県いわき市小名浜
カネキ商店
みりん風「極旨黒干し」
イワシのみりん干しの製造を教えるために、福島県いわき市小名浜に移住した安川一郎氏が生み出した、今やこの地域の郷土料理となっているサンマのみりん干し。その作り方・味わいは加工場ごとに異なり、家庭ごとに好みの味があると言います。
カネキ商店のみりん干しはなんとみりんを使用せず、茶色がかったコクのある砂糖「洗双糖」と塩のみのたれで作ります。昭和25年から継ぎ足し受け継がれたこのたれは、唯一無二の味となりました。
小名浜発祥の
サンマのみりん干し
今や全国に広がったサンマのみりん干しは、福島県いわき市小名浜で生まれました。縄文時代から続く歴史ある日本の食文化である干物は、長らく塩だけで作られるものでした。時代の変遷とともに調味料が開発され普及していくと、味噌や醤油、みりんなどを使った新しい干物が生まれます。さんまのみりん干しがこの地で作られる数十年前、大正時代に九州でイワシの醤油干しが作られました。その後、製造方法に様々な工夫がされ、砂糖や水飴、みりんなどを使った新味が登場します。イワシは全国的に水揚げが多い魚だったこともあり、この干物を作る技術は福島にも伝わりました。そして、小名浜港で豊漁だったサンマを使うことを思いついた安川一郎氏が、大ヒット商品サンマのみりん干しを考案します。
サンマのみりん干しは、加工場によって様々な工夫がされ、同じような原料でもお店ごとに味が異なります。地元の人たちにはひいきの加工場があり、それが家庭の味となり、郷土に欠かせない食文化になっていきました。
昭和25年創業、
老舗カネキ商店
カネキ商店の創業は昭和25年。祖父である小野平吉さんがこの地で冷凍業を主軸にした水産会社を開業しました。当時の加工場には女性の従業員さんがとても多く、和気あいあいとした活気ある会社でした。しかし、段々と小名浜港の水揚げが減っていくと、水産業を続けるのが厳しくなり、父である小野寅雄さんの代に冷凍業は廃業となりました。
ところが、代々続いた「みりん干し」の注文は途絶えませんでした。美里子さんも「このたれだけは無くしたくない」という思いがあり、社長を継ぎ、みりん干し販売業を継続することになります。
みりんを使わないみりん干し
70年以上継ぎ足した
伝統のたれ
カネキ商店のみりん干しにはみりんを使用していません。みりん風のあまじょっぱい味付けは、洗双糖という黒糖に近いコクのある砂糖と塩で作られます。創業当時の昭和25年から継ぎ足しで受け継いできた秘伝のたれを煮直しながら、不純物を丁寧に取り除き味、原料を加えて味の調整をします。
焦げないように低温で焼くと魚の脂が滲み出てたれと絡み合います。おつまみでも良いですが、ご飯と合わせるのが一番です。ちょっと薬味があるとなお良いです。
昔よりも黒くなっています
時を経るごとに、段々とたれの色は濃くなり味わいを増していきます。今ではサンマ以外にサバやほっけ、銀だらなどの魚を使った商品も加わりました。
カネキ商店のお客様には、『魚嫌いのうちの子が、これだけは好きで食べてくれるんです!』とリピートしてくれる親御さんの姿が。だからこそ、まずは幅広い層に商品を手に取ってもらえるように、パッケージをリニューアルしました。