種なし完全甘柿『博多秋王（あきおう）

博多秋王（あきおう）は福岡県農林業総合試験場が約10年の歳月をかけ開発し、2015年に全国デビューした完全甘柿です。
脱渋の必要がなく、種を取る必要もない＝種なし完全甘柿という特徴を持ちます。
種がないため、水平に包丁を入れてもすっと切ることができ、手軽に甘柿を楽しめます。次世代の柿として注目が高まっています。

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甘柿の王様「富有柿」を
上回る濃厚な甘さ。

『秋王』は濃厚な甘さを持ちます。
秋王の親は「富有柿」です。糖度15〜16度にもなり、甘柿の王様と呼ばれています。ですが、「秋王」はその親を上回る糖度17度以上の甘さといわれ、ひとくちで分かりやすく甘い柿です。
糖組成上、他の柿に比べてショ糖を多く含むことから、濃厚な甘さを感じやすいのです。

サクサクとした食感、
果汁も豊富です。

『秋王』はサクサクとした食感です。
秋王の花粉親は「太秋柿」です。サクサクとした食感と多汁さが人気の柿です。
秋王は親の特徴を上手に引き継いでいます。濃厚な甘さながら、軽やかでしつこさのない、食べ進められる柿なのです。

博多秋王あきおうの
旬や出荷時期は？

秋王は10月下旬〜11月中旬のわずかな時期に出回ります。

全国の柿は8月〜ハウス柿、9月露地栽培の早生柿が始まり、10月〜11月に最盛期を迎えます。収穫は12月には終了。その後、年明けにかけて貯蔵品が流通します。

柿シーズンのなかでも秋王は10月下旬〜11月中旬のわずか1カ月もない期間の流通です。（一部、年明けに冷蔵柿の流通もあります）

産地は福岡県に限定されています。

福岡県の筑後川流域は全国でも有数の甘柿の産地です。うきは市、朝倉市、久留米市はとくに富有柿栽培が盛んで、その生産者が新しく秋王の栽培にも取り組み始めています。ほかにも八女市、飯塚市でも生産量が増えてきています。

博多秋王あきおうの美味しい食べ方は

秋王の食べごろ、保存方法

完全甘柿のため、渋抜きの状態を見極める必要がありません。手元に届いた状態が食べごろです。品種特性上、時間が経っても比較的固めの食感が保たれますが、常温での保存は3日程度。冷蔵で保存する場合は2週間程度です。ヘタが乾かないようにし、ポリ袋に入れるとよいでしょう。

秋王のカットのポイント

最大の特徴は種がないことです。※
水平に包丁をいれることができ、輪切りにすると花のような美しい断面をしています。秋王ならではの切り方です。また、横方向にスライス、皮をむいて8等分すると、タルトやケーキの1ピースのような形になり、他の柿とは違う手軽な食べ方です。
（※自然物のためごく稀に種が入ることもあります。）

世界初「種なし完全甘柿」の開発に成功！
秋王はどうやって誕生した？

秋王＝種なし完全甘柿の品種開発は世界初！

柿は完全渋柿、不完全渋柿、完全甘柿、不完全甘柿、の４つに分類されます。
甘柿は渋柿に対して潜性（劣性）遺伝のため完全甘柿の品種は柿全体の１割も満たしません。

さらに種がない、完全甘柿として品種開発された事例は世界初です※

※花粉にX線を照射する等の手をくわえての開発技術はあったものの通常の栽培方法で育つ種なし完全甘柿品種が開発されたのは世界初

- 福岡県農林水産部農林業総合試験場
  果樹部部長松田和也氏
  
  世界でも類を見ない手法、不完全種子から結実させる
  
  種のない柿「平核無」に種がない理由については長い間不明でした。しかし、1990年に京都府立大学のグループによってその秘密が解明されました。それは、染色体の倍数性が九倍体（奇数）であるということ。富有柿など通常の種がある甘柿は六倍体です。
  
  九倍体の完全甘柿を育成するためには甘柿同士の交配が必要でした。しかし、甘柿は渋柿に対して潜性（劣性）遺伝。そこで交雑した種子にわずかに混在するしいな状の不完全種子を培養することで九倍体の実生を作出しました。これは世界でも例をみない方法です。
- 交雑80日後に摘出した種子
  注)左：不完全種子　右：完全種子
  
  1割にも満たない確立で発生する、しいな種子を培養する
  
  具体的には「富有」の雌花に「太秋」の花粉を交雑し、 80日後に総種子数の6.7%程度得られる不完全種子を胚培養します。そこから得られる実生の一部が九倍体となります。つまり、1割にも満たない確立で発生する、しいな種子（＝発芽能力をもたない不完全種子）を培養する、という途方もない研究によって秋王は誕生しました。
  
  やっと種子が培養できても、発根や圃場に植え付けるまでにもたくさんの困難が伴いました。それでも、果樹育種にかかる年月としては、決して長くはない10年足らずで福岡県農林試験場は品種化に成功しました。
- 甘柿の名産地として次の時代を担う柿をつくる
  
  福岡県は柿の生産量全国第3位。田主丸、朝倉、杷木、浮羽は甘柿の名産地として知られています。もともとは米・麦の二毛作が伝統的に行われてきた地域でしたが、麦作や菜種の減少とともに兼業化が進み、減反政策下では水田転作作物として柿が選択されました。その後、 1980年には筑後川中流域の柿栽培面積が1496haに達するなど一大産地を形成しました。
  
  甘柿は、暖地（岐阜県以西）でのみ完全な甘柿になります。福岡県は最南端の主要産地として、甘柿（主に富有柿）の生産に特化し、降霜が遅いことから収穫時期をずらして市場出荷することで、高単価・高評価をうけ、全国有数の名産地にとなりました。
  
  しかし、1985年以降は作付面積、収穫量ともに減少。大きな要因は従事者の高齢化とフルーツ消費量の減少です。特に全国の柿は2020年までの15年間で作付面積減少幅が21.3%と漸減。
  
  そこで福岡県は“種がなく食べやすい”という近年の消費者嗜好に合った独自品種の開発を目指しました。食味がよく愛される品種を広げることで、同時に、生産者の所得向上も目指しました。

博多秋王あきおうは
栽培が難しい…

食べやすさ・美味しさともにまさに秋の王様「秋王」ですが、栽培が難しく、生産量が安定しにくいといいます。九倍体ゆえの結実性の悪さ、種がないことによって生育ステージのどのタイミングでも生理落果が生じやすいこと。外観にキズやスレが付きやすく正品率が低いという点もあります。

生産現場にバトンが渡り、栽培技術の向上に県下全体で取り組んでいます。現在は限られた市場（現在は福岡、大阪、東京の指定3市場）にのみで流通しています。

博多秋王あきおうの評判や口コミ

初めての

食感です！皮を剥き、小蜜りんごの様に横に4つ位に分け食べると、柿なのにサクサクします。そしてとても甘く、シャインマスカットを初めて食べた時の様な驚きです。柿が好きで色々な柿を毎年食べますが、どの柿も舌に少し渋みが残りますが、秋王には、それが有りません。只々甘くサクサクなのです。

富有柿もお安く出回り、去年までは喜んで購入して食べていたのですが、秋王を食べてから、他の柿を食べる気になりません！暮れ様に又購入出来てとても嬉しいです。

投稿者：秀さんフーガ 2022/12/20 11:19:42