約半世紀ぶり「商業捕鯨」のナガス鯨
赤身と希少な霜降り肉を最高品質でお届け
約半世紀ぶりナガス鯨
赤身と希少な霜降り肉を最高品質でお届け
今年7月、約半世紀ぶりにナガス鯨の捕鯨枠が発給されました。現在4頭の捕鯨に成功しています。今回はそんな貴重な国産ナガス鯨をお届けする特別企画です。
世界で唯一、母船式捕鯨を行う共同船舶株式会社、豊洲市場のなかでも鯨の扱いに長ける仲卸東研の協力のもと最高品質の国産ナガス鯨をお届けします。
筋が少なく旨みの強い「赤身」と1頭から0.4%程度しか取れない希少部位「脂須の子」のセットです。その貴重な美味をお楽しみください。
注目のナガスクジラ捕鯨枠、59枠が発給
今年加わったナガス鯨を含め、商業捕鯨の対象は4鯨種。なかでも体長20〜30mと最大級のナガス鯨には上質な脂がのり、最高の肉質とされています。クセがなく上品、もっちりときめ細かく旨味に富みます。ここ約50年間は商業捕鯨の対象外だったため、その希少さも合いまり「幻」とも称されていました。ごくまれにアイスランド産のナガス鯨が出回ると、尾の身は松阪牛にも匹敵するほどの高値で取引されるのです。
昭和40年代までは大衆的な存在だった
そんなナガスクジラも昭和40年頃までは大衆に親しまれていました。
鯨肉食は戦後の食糧不足を補うとして、GHQ管理下のもと積極化し、1960年には国民一人当たりの食肉供給量で牛、鳥、豚を上回っていました。そして当時を知る人はやはり、「ナガスクジラは特別においしかった。」といいます。
鯨資源を最大限生かすための商業捕鯨
2019年日本はIWCを脱退しこれまでの調査捕鯨※という形から商業捕鯨に舵を切りました。
調査捕鯨では公平性の観点から定められた航路において発見した個体を大きさに関わらず捕鯨します。一方、商業捕鯨では流通を前提により大きく脂ののった成熟した個体を狙います。調査捕鯨の副産物とは違い、商業捕鯨では消費者に喜ばれる品質が求められます。
もちろん、商業捕鯨も資源量を把握し可能な数の鯨をとります。資源保護と産業発展の両輪です。これは限られた漁獲枠、資源を最大限有効に活かすことにも繋がります。
最高の鯨肉を食卓へ届けるために新造船された
新造された関鯨丸(かんげいまる)とその乗組員
共同船舶は73年ぶりに捕鯨船を新造しました。 この際、調査捕鯨時代のような国の補助金による運営からは完全に脱却しています。船内には、一民間企業として高品質かつ美味しい鯨肉を食卓へ届けるべく、尽くされた工夫が各所にみられます。
過去例にない高鮮度、高品質を実現。
「マイナス25度で保管し解凍時にマイナス5度の環境に一週間置くことで、死後硬直が溶け、肉が柔らかくなる。うまみが全体にまわり、ドリップも少ない。(=冷凍熟成)」
適切な温度管理と解凍法によって鯨肉の真の美味しさを引き出すことができる、と共同船舶の所社長は話します。
今回も水揚げ直後に解体したものを関鯨丸の最新鋭の設備で適切な温度管理を行います。さらに出荷前に豊洲のプロの手により時間をかけて解凍します。船上で解体まで行う母船式を採用するのは日本のみなので、過去例にない高鮮度、高品質を実現しています。
記念すべき半世紀ぶりの
国産ナガス鯨をお楽しみください。
赤肉は刺身やユッケ、鯨カツや竜田揚げ。 脂須の子はぜひ刺身でお召し上がりください。噛むほどに旨味と甘い脂が溶けだします。