津奈木の小学生とデリーがコラボした
本格スパイスカレー

熊本の南端にある小さな町、津奈木町。
この町には、生で食べてもおいしい、肉厚でフルーツのような甘さの玉ねぎがあります。玉ねぎの品種は七宝。その名の通り町の宝です。どんな調理でもおいしいのが玉ねぎですが、これをたっぷりと具材に使ったカレーがあったら飛びきりおいしいに違いない。と、今回の商品づくりが始まりました。

作ったのは、玉ねぎがメインの具材となった、本格スパイスカレーです。辛いけど甘くうまみのあるカレー。飲み物のようにするすると食べられます。カレーだけでなく、スパイスにもこだわってます！（画像にある紙箱包装はイメージです。商品には付きません。）

今回レシピを依頼したのは、インドカレーの名店デリー四代目の田中源さんです。デリーを代表するメニュー「カシミールカレー」には1/10の重量になるまで時間をかけて炒められた玉ねぎが入ってます。病みつきになるあのうまみの根底にあるのは、実は玉ねぎなんです。

玉ねぎ使いのプロである田中源さんは津奈木の玉ねぎを食べて２つのレシピを作成しました。１つが子供も食べられる辛くないカレー、ケララ風ココナッツキーマカレー。タマネギの甘みとココナッツミルクでクリーミーに仕上げた優しい南インド風のカレーです。もう１つは、タンドリーチキン・ドゥピアーザ。炒めたタマネギの甘みと揚げたタマネギの香ばしさのダブル玉ねぎカレーです。具にはタンドーリチキンが入ったスパイシーな味わいです。

実は、この玉ねぎ津奈木小学校の子供達が作りました。3〜4年生を中心に冬に苗を植える栽培を担当し、1〜2年生が箱に絵を書くデザイン担当。5〜6年生がWEBページ作成などのマーケティングを担当する、全校挙げて玉ねぎのブランディングを行うプロジェクトで育てたものです。この玉ねぎは、七宝（シチホウ）という４月中旬から５月上旬に収穫される品種で、生でもおいしいですが火を通すとさらに甘さが増しトロリとした食感になります。

大人カレー（タンドリーチキン・ドゥピアーザ）に入るフライドオニオン。スライスした玉ねぎを網に入れて大胆に素揚げします。ソースにコクを出し香ばしくさせます。

ソースのベースになるソテーオニオン。じっくり炒めることで甘さが引き出されます。津奈木の玉ねぎは特に甘いので、スパイスカレー初心者の方でもおいしく食べていただけると思います。

子供カレー（ケララ風ココナッツキーマカレー）に入ったキューブカットオニオン。具材として食べていただきたいのでサッと炒めました。食感も残り、この玉ねぎのおいしさを感じられます。

フライドオニオンをペースト状にしたものがソテーオニオンを炒めた鍋の中に入ります。こういうスープを作ったら売れるのではないかと思うほどの美味。このソースの旨さ甘さは完成したカレーの奥の方にしっかりと感じられます。なるほど、後を引く味になるはずです。

もう１つ、しっかりとお伝えしたいのが大人カレーの具である「タンドリーチキン」。ご家庭で作るチキンカレーは鍋の中に鳥肉を入れて煮込むと思いますが、デリーのカレーは、スパイスニンニク、しょうがとヨーグルトに2日以上漬け込み焼き上げた本格的なタンドーリチキンを低温でジックリ焼き上げたものが具になります。

子供カレーの牛豚合挽肉を使います。本来、インドのキーマカレーはチキンかラムが具材なのですが、今回はお子様にも食べていただきたいので、日本では馴染みの牛豚合挽肉にしました。100％牛肉ですと、クドくなるので豚肉を入れて最後まで美味しく食べてもらおうと思いました。

文・井上真一
写真・八木澤芳彦