缶詰の誕生は19世紀、フランス皇帝ナポレオン一世が、兵士の士気鼓舞と戦力維持のため作らせたのが始まりです。
日本では明治4年(1871年)のイワシの油漬缶に始まり、明治10年(1877年)に商業用缶詰として初めてサケ缶が製造されました。
当時の缶詰の価格は、白米一升の値段よりも高く、あくまで試験的製造の段階でしたが、軍用食として注目され、日清・日露戦争を経て、徐々に家庭用向け食品としても普及していきました。
その後、およそ150年の間に、製造技術の向上、品質改善を積み重ね、今、おいしい缶詰が増えています。
豊洲市場ドットコムでは、オリジナル商品「凄いサバ缶」をはじめ、「海峡サーモンで作った“鮭の中骨缶”」、「浜名湖産うなぎを使用した“うなぎ蒲焼缶詰”」など、原料、製法、味にこだわった缶詰を取り揃えています。
非常食としては勿論、一品料理、ご飯のおとも、酒のつまみ、また高級缶詰ならギフトに、と様々な場面で活躍する缶詰の、「知れば知るほど食べてみたくなる」魅力をご紹介します。
「缶詰だから、生まれる美味しさがあります」
缶詰は、原料に関わらず、「調理→選別・肉詰→脱気・密封→殺菌→冷却」の共通の工程で製造されます。
脱気で密封された無菌状態の缶詰は、その保存期中も缶内の原料は変化するため、原料の品質が重要であることに加え、缶内での熟成も味わいを決める要素です。
この特徴を利用した商品が、1951年創業の八戸缶詰が製造する「凄いサバ缶」です。
1kg級で脂のり抜群の天然金華さばを使用した水煮缶で、当社オリジナルの人気商品となっています。
出来たてでも美味しく食べられますが、保存することで缶内熟成が進み、塩と鯖の脂と水が渾然一体となった素晴らしいバランスを味わって頂くため、「食べるのは製造日から1年経つまでお待ちください!」とお伝えして販売しています。
「缶詰は、食文化を閉じ込めた容器です」
1934年創業の浜名湖食品「うなぎの蒲焼缶詰」は、古くは潜水艦乗りへの士気高揚のための物資として、戦地へ大量に送られた歴史ある缶詰です。
油紙で1枚ずつ丁寧に包む、今時の缶詰では見られない包装が施されています。
冷凍や真空包装などの技術革新で私たちの食生活はとても豊かになりましたが、一昔前はこの缶詰が贅沢の象徴でした。
この缶詰は、ぜひ温めて食べてください。鍋で沸騰させたお湯の中に缶詰をドボンと入れて約2分。やけどに注意しながら缶切りで開ければ、“ふわとろ”なうなぎの蒲焼が現れます。甘さが控えめで、山椒やワサビでもあればよい酒のつまみになります。
「日本が初めて製造方式を確立した“みかん缶詰”」
フルーツ缶と言えば、みかんの缶詰を浮かべる方も多いと思います。2021年統計によると、「果実缶びん詰」国内生産数量は、2位の桃を押さえ、みかんがダントツのトップ。実は、みかんの缶詰は、世界で初めて日本が製造理論を確立した缶詰です。
社団法人日本缶詰協会の創立80周年記念会誌によると、明治5年(1872年)頃から「みかん缶詰」の研究が始まり、明治13年(1879年)頃に「外皮つきの糖蜜漬け」が誕生したとされています。そして、明治30年(1897年)頃に、外皮を手剥きした「丸みかん缶詰」が製造され、大正に入り、薄皮を剥いた現在の形になります。
日本で確立されたこの製造方式は、スペイン、中国などの世界のみかん缶詰生産国でも遵用されました。
当店でおすすめするのは、甘夏の新鮮さをそのまま閉じ込めた「甘夏缶」です。
熊本県で収穫したての甘夏を使用した甘夏缶は、フレッシュさそのまま、心地よい歯応えと甘さ、そしてほろ苦さしっかりと感じる缶詰です。
「国内の競争激化により美味しい缶詰が増えています」
戦後、缶詰は外貨獲得のための重要な輸出品として、1950年には生糸に次ぐ第2位の輸出品目となります。しかし、オイルショック、そして1985年のプラザ合意による円高進行により、日本の缶詰は、競争力を失い1980年をピークに激減、国内向けへの転換を迫られます。
さらに、国内では、輸入缶詰の増加、レトルト食品の生産加速と市場競争が激化したため、 製造技術を向上させ、品質改善を進め、日本人が満足する「多様で美味しいい缶詰」づくりが進んだのです。
2023年は、首都圏に未曾有の被害をもたらした東京都関東大震災100 年の節目を迎えました。
首都直下地震や南海トラフ地震、海溝型地震など、大規模災害のリスクに備えるべく、普段使いとも兼ねられる、美味しい缶詰のストックを検討してみてはいかがでしょう。
水産の缶詰は未開封で「賞味期限3年」が義務付けられていますが、無酸素状態で加熱殺菌し密閉されているため、長期間保存ができます。直射日光・高温多湿・寒暖差の激しい場所を避け、風通しがよいところに置くのがポイントです。
当店では、温めるだけで一品料理になる調理缶詰もご用意しています。ぜひお好みの缶詰を見つけて下さい。
※参考文献
公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会HP
https://www.jca-can.or.jp/association/history.html
お届け日の指定が可能です
未利用の部位を使用! 『ぶり大根缶詰』 ブランドブリ黒瀬ぶりの尾肉使用 170g×12缶 ※常温
6,980円(送料・税込)
- 販売中 在庫数 25
- 食文化 船橋出荷店(常...