無凍結の北海道産 生ニシンの卵から仕込む
生造り『お刺身 数の子』

生から仕込むからこそ味わえる、
卵本来の美味しさがあります。

1948年創業以来、数の子を加工する老舗
北日本海産物
北日本水産物は、北海道増毛郡増毛町の水産品の加工や販売を行っている企業です。創業よりニシンを中心に取り扱っており、お刺身数の子の他、数多くの商品を取り揃えています。
生ニシンの腹から卵を取り出す
ところから始めます

北海道沿岸で水揚げされた、生のニシンを工場で加工しています。北日本水産物の代表取締役社長の田谷克頼氏は「弊社では、この仕込み方を「生造り」と呼んでいます。素材本来の味を残した数の子づくりにこだわりました」と語ります。
国内でも生数の子をつくっているメーカーは数社あるかどうか。一般的には、カナダやアメリカで獲られたニシンを一度冷凍させて、日本に輸入したのち、解凍して加工をします。
生のニシンから取り出される卵は柔らかく、丁寧に扱わなければ崩れてしまいます。
5〜7日間かけて丁寧に塩〆します

お刺身数の子は、全て手作業で作っています。中でも血抜きと塩〆の過程には、5〜7日と長い時間を要します。北海道産のニシンを年間200〜300t扱う北日本水産物でも、この生造りは、5〜10t分しか生産ができません。
先ずは血抜きです。何度も塩水を変えて、徐々に塩分濃度を上げていきます。最後は飽和状態になるまで塩を入れて、塩〆します。
形が少し歪なのは、
鮮度が良い証拠です

生のニシンから取り出した卵は「生きている」状態です。塩〆の工程で浸透圧の影響により、どうしても形が歪になってしまいます。ですが、これは鮮度が良い証でもあります。
生だからこそ、卵本来の美味しさが残ります。
優しい味わいに仕上げました

「お刺身数の子」という名前の通り、素材本来の味わいを消さずに、醤油をつけても美味しく召し上がれるように、薄味に仕上げました。
文・中村百恵(食文化)