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熊本県球磨
韓国料理店「市房食堂」
辛みだけでなく
旨味とコクを感じる韓国料理です。
市房食堂(いちふさしょくどう)は、昭和29年に創業した韓国料理店です。熊本県球磨郡錦町に「にしきほるもん街道」と呼ばれる10店舗以上ものホルモン料理専門店や飲食店が立ち並びます。市房食堂はその街道の中にあります。
韓国料理に欠かせないコチュジャンは味噌や醤油などを使ったお店の手作りです。野菜は地元のものを使っています。辛みだけでなく、コクのある韓国料理を楽しめます。
豚の骨から出た濃厚な旨味が魅力の
「カムジャタン」
韓国語でのカムジャはじゃがいも、タンはスープという意味です。
市房食堂では、韓国生まれの先代に受け継いだレシピで作っています。ベースは国産の豚の背骨をじっくりと3時間煮込んだ濃厚な旨味を堪能できる出汁です。スープを少しずつ加えながら、韓国産の唐辛子を炒めていきます。味付けは、自家製の甘口のコチュジャンのみです。コチュジャンに味噌やみりんが入っているので、辛みだけでなくコクと甘みもある鍋スープです。
ごろっとジャガイモが入っています。
スープと一緒にごろごろと大きめにカットしたジャガイモが入っています。スープの旨みをジャガイモが吸収しています。
調理は簡単です。冷凍のまま沸騰させたお湯に袋ごといれて、少し解凍したら、中身を別の鍋にあけ、加熱すれば完成です。追加で野菜を用意する必要はありませんが、お好みでニラ、ネギ、きのこ、えごまを入れるのもおすすめです。「〆はラーメンの麺もしくはご飯と一緒に韓国のり、ネギをいれて食べるのがおいしい」と店主の岸田博幹さんは言います。
和牛のホルモン、豚肉、野菜、鍋スープ、うどんのついた
「赤辛鍋」
韓国料理名でいうとコプチャンチョンゴルと言われる鍋です。韓国語でコプチャンはホルモン、チョンゴルは鍋料理という意味です。ご家庭で準備するものはありません。和牛のホルモン、国産の豚肉、キャベツ、しめじ、玉ねぎ、ニラ野菜などの野菜、鍋スープ、うどんが入っています。「黒毛和牛のホルモンを使うことでスープに脂の甘みが溶けだす」と岸田さんは言います。
鍋に凍ったまま具材・うどん、鍋タレ、水300-400ml入れ中火で10分程度煮れば完成です。
牛骨の出汁と2種類の自家製コチュジャンを使った
鍋スープ
鍋スープのベースは牛骨です。自家製コチュジャンの甘口と辛口の2種類を使って味付けしています。2種類入れることでコクが生まれるのです。ピリリと辛みの効いた旨味の強いスープを野菜やうどんがしっかりと吸収します。
お店の看板メニュー「やわらか黒ホルモン」
ホルモンを丁寧に下処理し、濃厚なピリ辛タレで煮詰めた「やわらか黒ホルモン」です。この味わいの要は、ホルモンの鮮度とタレにあります。
ホルモンは、町内の食肉センターから鮮度抜群な牛ホルモンを仕入れています。食感の異なるミノ、ハチノス、ギアラ、腸の4種類が入っています。黒く見えるのはホルモンの「皮」です。ホルモンを皮つきのまま、肉と皮の間の旨味まで丸ごと味わえるのは、ごく鮮度の高いものに限られます。それを、薪釜で下茹でします。「薪釜炊きでなければ、この食感は出ない」と岸田さんは言います。
タレは、醤油と味噌をベースに韓国産トウガラシをピリリと効かせています。ご飯もお酒も進む味わいです。