首都圏の隠れた米どころ
八代目 與五右衛門の平賀米
代々の田んぼで育てた與五右衛門の美味米
江戸時代から続く米農家「與五右衛門(よごうえもん)」のお米は積み重ねられた歴史と現代ならではの工夫から生まれた美味なお米です。
千葉県印西市平賀は、肥沃な土壌と豊富な水に恵まれた歴史ある米産地です。八代目 與五右衛門にあたる鵜澤松夫さんは、甘さに加え旨味を感じ、豊かな香りが広がる大変美味なお米を作り上げます。
先祖代々守り続けてきた土地で美味しいお米を生みだすことで、平賀の名を全国に広め地域の米作りが長く愛され続いていくように、精力的に活動しています。
首都圏の知られざる米どころ「平賀」
新宿から車で1時間半の千葉県印西市平賀には、首都近郊とは思えない水田風景が広がっています。かつては海だったためミネラルに富み、さらに有機質が積み重なったことでとても肥沃な土壌が形成されています。水源である印旛沼のおかげで水も豊富なため水田に最適。江戸時代には幕府の直営で開発が行われました。昭和に入ると灌漑技術も進み大規模な農地開拓が行われ印旛地域は千葉県でも収穫量が1、2を争う米どころとなっています。
猛暑の千葉で生まれた美味な米
千葉県はスイカ・メロンのような果菜類の名産地ですが、新潟や山形のような美味しいお米の産地としてのイメージは少ないでしょう。現に千葉のお米は日本炊飯協会が発表する米の食味ランキングでも高い評価を受けることは少なく、特に近年は夏から秋にかけて夜温も下がらない高温が続いており、お米の生育には不利な状況もあります。
そんな千葉において「八代目 與五右衛門」の鵜澤さんのお米は全国的に見ても高い品質で、驚くほど美味です。その美味しさを生み出す秘訣は、他にはない水へのこだわりがあります。
冷たい地下水が実現した高い品質
印旛沼の水温は夏場には26度以上になるといわれており、水田にとっては厳しい環境です。鵜澤さんは猛暑に苦しむ稲を見て、“地下水ならば最適な環境に整えられるのでは”と独自のアイデアを実践。水温10度台の冷たく澄んだ水を田んぼに引き入れることで、猛暑でも稲に最適な環境を作り出しました。
穴を掘り、ポンプで水を引き上げるために多くの苦労はありましたが、水の力によって群を抜いた美味しいお米に仕上がりました。
草刈りで実現する減農薬
さらに鵜澤さんは手作業での草刈りを徹底します。雑草は虫や病気の温床となるため除草剤を散布することが多い中、手作業で行います。良く手入れされたあぜ道を見るだけで、この田んぼがどれだけ手間暇をかけられているかが伝わってきます。
それにより、2024年度の農薬の使用は、初期の防除と中期の防除に加え、今年の環境に合わせたカメムシ対策の3回のみで、地域の半分程度に抑えることができました。
美味しいお米を安心して召し上がっていただきたい、そんな想いが詰まっています。
おすすめは、旨味を高めたミルキークイーン
鵜澤さんが特に力を入れる品種が「ミルキークイーン」です。アミロースが少なくもちもちとした食感で、高い甘さを誇りますが、どうしても甘さ以外に特徴が出にくい品種です。
しかし、鵜澤氏のミルキークイーンには甘さに加えてしっかりとした旨味が感じられ、米単体でも美味しく、塩辛いおかずとあわせても味を引き立てる絶妙な仕上がりでした。
名だたる米どころのお米と並べても負けない、力強い美味しさです。
おすすめは塩むすび
ミルキークイーンは特におむすびなどに最適です。冷えても硬くなりにくく粘りがあり、甘さも十分に楽しめます。そのためシンプルに塩だけで十分に風味が引き立ちます。さらにパリパリの海苔があれば、より堪能できることでしょう。
知られざる関東の米どころ平賀の美味米。『八代目 與五右衛門のミルキークイーン』をぜひ一度召し上がってください。
八代目 與五右衛門
鵜澤松夫
伝統と現代技術を融合させた米づくりを続けています。その努力が実を結び、驚くほど美味しいお米が生まれて、地域でも評判になっています。
地産地消の促進や、田植え・収穫イベントを行うなど、米どころ平賀の未来を支える鵜澤さんの取り組みにも、ぜひ注目してください。