ジェラートの本場の味を!
グイドさんの
イタリアンジェラート
ジェラートマエストロのグイド・ザゲットさんに、おすすめのフレーバーと楽しみ方を教わりました。

ご家庭でジェラテリアの
味が楽しめます。
「ジェラートは食べる前に、スパチュラかスプーンを使ってジェラートに空気を含ませるように練ってあげると、ジェラテリアで食べるような、なめらかな味わいを再現できますよ」と、教えてくれたのは、イタリア人ジェラートマエストロのグイド・ザケットさんです。イタリアを代表する高級ジェラートマシーンメーカーのカルピジャーニ社の専任講師です。良質なジェラートは、練ると画像のように、しなやかに伸びます。口溶けが抜群になります。以下、ジェラートの本場イタリアのジェラートマエストロ(ジェラートの匠)であるグイドさんに、本場の味と楽しみ方を伝授していただきました。

ジェラートの魅力は、
素材の風味が生きること。
ジェラートは果汁・牛乳・砂糖・卵白などを冷却し攪拌したイタリアのデザートです。ひとくち食べると溢れ出す素材の風味は、ジェラートがフレッシュな材料をたっぷり使って作られているからです。空気含有率は35%以下と少なく、密度が濃いのも素材の味をしっかり感じる理由の一つです。また、ジェラートは乳脂肪分が5%前後と、アイスクリームと比べて脂肪分が少なく低カロリーでさっぱりとして食べやすいことも大きな魅力です。

なめらかな口溶けが、
上質なジェラートの証。
もう一つ、ジェラートの特筆すべき魅力は、ふんわりかつシルクのようななめらかな食感です。これを生み出すのが、本場のジェラートマシーンです。 カルピジャーニ社のジェラートマシーンは、フリージング中に空気を抱き込みながらジェラートを練り上げます。製造時間が10分以下と短いため、細かい氷の結晶のままジェラートをつくることが可能です。この小さい結晶と空気により、極めてなめらかな、ふんわりとした食感を生み出すことができます。

これが
ジェラートマシーンです。
「カルピジャーニ社のジェラートマシーンでつくるジェラートなどは、出来上がりのなめらかさが秀逸です。時間が経っても風味や食感が損なわれにくく、美味しさがキープできることも魅力です。近年はジェラート専門店だけでなく、レストランやフランス菓子店のパティシエからも高い支持を得ています」と、グイドさん。ちなみにジェラートの温度帯は、アイスクリームとソフトクリームの中間のマイナス12〜15℃です。

ミルクとチョコレートは
欠かせません。
子どもから年配まで幅広い年齢層が日常的に楽しむジェラートは、イタリア人にとって国民食のような存在です。グイドさんは新しいジェラテリアでは必ずミルクとチョコレートを注文するそうです。なぜならミルクはジェラートのベースの味になるからです。チョコレートもミルク同様にジェラートの定番で、そのお店の素材の良し悪しがわかるそうです。「この2フレーバーが良ければ、その他のフレーバーも美味しいはず!」と、グイドさんは語ります。
ジェラートの美味しい食べ方


まず、ジェラートは召し上がる5〜10分前に冷蔵庫に移してください。
ジェラートの表面が柔らかくなり、スパチュラ(なければカレースプーンでも構いません)がスッと入ったら、練り始めます。
練り方は、スパチュラですくっては返し、を繰り返します。
練り上げることによって、出来立てのようななめらかな口当たりになります。


粘度が増し、艶が出てくるまで練ります。 卵のような形にすくって盛り付けます。


最後にジェラートを伸ばしてふんわりと上に持ち上げるようにして盛り付けるとお店のようなジェラートになります。

ジェラートは「家族の日」の
思い出の味。
グイドさんは、イタリア・サルデーニャ島オルビアのパティスリーを経営する家庭に生まれました。グイドさんにとってジェラートは週に一度ある「家族の日」の大切な思い出の味だそうです。家族の日とは、日曜日の教会の礼拝後に家族で過ごす大切な時間です。祖父母や家族と皆でジェラートを食べるのが大好きだったそうです。イタリア流の家庭での楽しみ方は、チョコレートソースやジャムなど、ご家庭にある好きなものをトッピングしてサンデーのようにして食べること。2Lサイズのジェラートなら様々なアレンジが可能です。
このコーナーでは、イタリアンジェラートの定番の味や、旬の特別な果物や希少野菜を使った、グイドさんオリジナルレシピのジェラートを展開していきます。
文・林麻実
撮影・天方晴子、カルピジャーニ社