農林水産省大臣賞・水産庁長官賞受賞
沼津でアジ一筋50年
五十嵐水産の真あじの干物
あじ一筋50年、静岡県沼津市にある干物メーカー五十嵐水産の真あじの干物です。美味しさの秘密は、原料となるあじの目利きと、塩汁に使う駿河湾海洋深層水と西オーストラリアの天日塩「シャークベイソルト」、天日干しで醸成される旨みをも凌ぐ最新技術「100年炭蔵(炭蔵熟成)」にあります。
驚くほど旨みが引き上げられ、風味が良く、ふっくらと、そして瑞々しさすら感じる高品質の干物です。旨みに多層感があると言うべきか。まずは一度食べれば、違いが感じられるはずです。
おいしさの秘密
1.長崎を中心とした海域の原料を調達
あじだけに特化した五十嵐水産は、原料に大変なこだわりがあります。長崎を中心とした海域で水揚げされた上質な真あじの中から、熟練の目利きが鮮度・肉厚・脂乗りの良いあじを厳選し、直接仕入れます。
2.天日塩「シャークベイソルト」が深みを引き出す
熟練の職人があじを開き、塩汁(魚を漬け込む塩水)に漬けます。ここにはユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録される西オーストラリア州のシャークベイで採れた、天日塩「シャークベイソルト」を使います。乾燥地帯の自然環境で2〜3年かけて海水を結晶化させる天日塩製法です。
雨の多い日本では熱を加える釜炊き塩が主流ですが、じっくり結晶化させてある分ミネラルが壊れにくく、塩かどのないまろやかで深みのある塩味が、おいしい干物作りに一役買います。
3.駿河湾海洋深層水を使用
先程の塩汁には駿河湾海洋深層水を使います。沼津の目の前に広がる駿河湾は、水深2500メートルを超える日本一の深さを誇ります。深層水とは水深が200m以上の海水で、高栄養性、清浄性、低温安定性という3つの特徴があります。
海の表層でおこる食物連鎖により、バクテリアに分解された無機物質(カルシウム、カリウム、鉄、無機栄養塩)が深海に蓄積されるため、栄養が豊富です。水深200m下では太陽光が届かないため、植物プランクトンが増殖できず水も綺麗です。まさに自然の力を生かしたこだわりの塩汁というわけです。
4.炭の力で旨みを凝縮し熟成します
五十嵐水産はあじを干す際に「百年炭蔵ⓇCFS製法」を導入しています。百年炭蔵とは、炭と電子の力を利用した熟成庫です。
酸化抑制効果の高く、脂質の酸化を防ぐとともに、微生物の増殖を抑制、鮮度劣化を防ぐことで、ドリップを抑え、旨みのもととなるイノシン酸の減少を抑え、遊離アミノ酸を増加させます。
そして、短時間で熟成が可能なので、身がふっくらとジューシーに仕上がります。
焼き過ぎないようご注意ください。
一般的な天日干しの干物は、ミネラルを含んだ海風に晒し、天日干しにすることでタンパク質やミネラルが結びつき「すわり」という現象が起き、旨み成分が生成され、風味が豊かになります。
今回ご紹介した干物は、熟成庫内で酸化を防ぎながら干し時間は短時間、ミネラルは海水と天日塩の力をかり、保水させたまま旨みを引き上げたという、干物づくりのノウハウを応用した、新しい干物です。
表面がうっすらと飴色になるくらいが焼き加減の目安です。
太陽光ならではのあめ色とは少し違う仕上がりになるはずです。食べてみると、風味があり、旨みの重なりが感じられ、瑞々しさすら感じます。1パックずつ冷凍真空されているので、必要なだけ取り出して召し上がってください。干物自体の大きさにも驚かれるはず。
誰かに教えたくなる見事な干物です。