すべてが魚体27センチ以上の重量級
鮎養殖40余年、飽くなき探求心で結実した尺鮎
- 大分県佐伯市 鮎匠 錦幸園
大分県佐伯市 鮎匠錦幸園の矢野精幸社長が挑戦した「養殖の大鮎」です。
手掛けた魚体はすべて27センチ以上、全体の1割は尺サイズです。
自然界では、ここまでに育つ前に淘汰され、まずお目にかかれない大鮎。
養殖においてもそれは同じです。
健康な鮎でしっかり愛情を注いだからこそ実現した凄い鮎です。
こんな鮎はまず見たことがないと思います。
凄い鮎、食べてみませんか。
尺鮎の魅力は幻の大きな個体へ遭遇するロマンにあり!
尺鮎とは
体高があり、30.3センチの魚体を尺鮎と呼ぶ!
天敵が少ないなど、いくつか条件がそろわないと天然ではめったにお目見えしません。
良質な藻や苔のある河川でも栄養はそこまでないので、栄養がいきわたっていることも重要な要素です。
和食の料理人は、骨の当たらない走りの若鮎を好んで使いますが、
釣り師は尺鮎を求めます。そこには強く大きな個体へのロマンがあります。
2200尾すべてが27センチ超え!1割が尺サイズに!
今回水揚げされた2200尾のうち約1割の200尾が尺サイズ、残りはすべて27センチ超えとなりました。
一般的な鮎は70〜80g。錦幸園が作った鮎はその3〜4倍、250gから大きなものでは1尾が300g超えまでいったというから驚きです!
鮎養殖40余年、作ってみたかった尺鮎に挑戦
大分県佐伯市本匠で40年以上アユの養殖を行っている錦幸園。
そのノウハウを生かし、2022年、長年やってみたかった尺鮎育成に挑戦しました。
毎年1万5000尾ほどの養殖していた鮎の養殖は一切せず、尺鮎のためだけの1年とし、2000尾にまで減らしました。
良い稚魚を選別し、良い餌を与え、小さなうちから内臓を丈夫にし、ストレスを与えないよう気を配りました。投薬も一切使用せず。ただひたすら気を配り、充分に食べさせ長く育て、水温を調整し産卵を遅らせ、ついに養殖尺鮎に成功したのです!
「作りたくて作ったけど、これが最初で最後のつもり」
この機会を逃したらもう食べられません。
子供の頃から近所の番匠川で天然鮎や鰻と親しみ、自ら仕掛けを作り想像力を働かせ、沢山捕まえては祖父に見せて喜ばせたそう。勿論インターネットの無い時代の話です。そんな男が、大人になって長年手掛けてきた鮎養殖に、彼なりのエッセンスを加え育て上げた鮎です。
しかし、尺鮎作りは今回限りとのこと。
普通の養殖鮎よりもずっと気を配り続けないといけなくて…というのです。
私としては、販売する私たちやお客様に支えてもらって、頑張る活力を送りたいな、とそんな気持ちでいっぱいですが、
もしかすると、この機会を逃すともう食べらないないかもしれません。
形は鮎、ですが全く違う魚を食べているかのような錯覚を覚えます。
オス・メスをセットでお届けします。メスは卵を抱えていますがそれなりに脂があります。
一般のご家庭ではフライパンからはみ出すと思いますので、オーブンをお使いください。
炭火をご用意できるなら、解凍して塩焼きを、香草とあわせソテーでも美味しいです。
1年魚と言われる鮎は、自然界では冬までは生き残ることはほぼありませんが、この鮎は翌年2月まで生かすことができた実績があります。
まさに長生きの証。
こんな鮎を食べて自分も力強く生きるぞ!そんな気持ちにさせられた鮎です。
文・(株)食文化 川口