深いコクと心地よい余韻
糖度だけでは測ることのできない
「旨み」が詰まった
『葵クラブのみかん』
今年も自信をもってお届けいたします
みかんの名産地 和歌山県有田市の中でも、名だたる高級果物専門店から圧倒的な高い評価を得ている、全国でも指折りのみかん栽培の職人集団が<葵クラブ>です。
葵クラブのみかんは、ごく限られた店にしか卸していないため、買いたくてもなかなか買うことができません。その味わいは、深いコクがあります。そして、心地よい余韻が続きます。香り豊かな果汁が、多くのみかん好きたちを魅了してやみません。表面的な「糖度」といった指標だけでは表すことの出来ない、みかんの匠による「旨み」の詰まった名品を、今年も自信を持っておすすめいたします。
ただ「甘い」だけではない
「旨み」がギュッと詰まった
みかん作り
いまや全国のみかん産地で美味しいみかんが作られていますが、1つの指標になっているのが「糖度」。
全国から選りすぐりのみかんが集まる豊洲市場や大田市場には、光センサーで高糖度選果された各県のブランドみかんの入荷も数多くあります。それらを毎年食べ、競りを行う舌の肥えた関係者たちに「糖度選別はしていないがその味は別格」と言わしめるほどの評価を受けているのがこの葵クラブのみかんなのです。
健康な樹を育て、
樹自体のポテンシャルを
最大限に引き出す
「その美味しさの秘訣は、なんといっても手間ひまをかけた健康な樹作りにあります。」みかん栽培40年以上、葵クラブを率いる代表の澳章弘さんが長年の経験を基に築き上げた栽培のこだわりを語ってくださいました。
「糖度を上げるために過度なストレスを与えることは樹が疲れるので絶対にしません。昔はそのように作ったこともあります。ただ、それでは深みのある美味しいみかんは出来なかった。みかんの樹も人間と同じで、適度なストレスは成長に繋がりますが、過度なストレスばかりを与えていては精神や身体がやられてしまいます。
なので、私たち生産者の仕事はみかんの樹が元々もっているポテンシャルを最大限引き出すことなんです。そのためには樹が健康でなければならないので、園地毎の土壌や日照条件に合わせて手当の仕方を変えることで環境を整え、バランスよく栄養を与え、蓄えた養分を実に運んでくれるよう調整していきます。」
葵クラブではベストなみかんをお届けするために、極力長く樹に成らして完熟状態での収穫を心がけています。そのために、樹によって収穫時期を変えたり、1本の樹の中でも熟した果実から収穫し、未熟なものは完熟してから収穫するなど、常に味を確認しながら収穫しています。
味を決める
収穫前後のみかんの食味ケア
完熟収穫しようと樹に成らす時間が長ければ長いほど、果肉と果皮の間に隙間が出来る浮き皮が発生しやすくなるという問題があります。浮き皮は日持ちが悪くなる、栄養分の消費が激しくなるなど出来るだけ防ぎたい症状の一つです。その対策として、カルシウム剤を散布し、果皮表面をカルシウムの粉で覆うことで余計な水分を蒸散させることで浮き皮を防止します。※みかんの表面に付着している場合がございますが、農薬とは異なるので安心してお召し上がりください。
また、収穫後のみかんは水分量が多いため、風通しの良い環境下で果皮を適度に乾燥させる予措(よそ)という作業を行うことで、まろやかでコクのある果汁に仕立てあげます。
ここまでのケアをする生産者は本当に一部のコダワリ生産者だけです。
全国を駆け回り、
試行錯誤を続け辿り着いた
栽培方法
「これは鰹節を作る過程で出た骨や皮、内臓を取り寄せ、粉砕して特別に作っているんだ。」葵クラブでは、旨み成分であるアミノ酸たっぷりの栄養分がたっぷりと含まれた魚粕を肥料として使用しています。この肥料が保管してある蔵に入ると、凝縮された鰹の香りが一面に広がっています。これも葵クラブならではのみかんの「旨み」を構成する要素です。
他にも、独自の栽培方法の1つに有機アミノ酸の液肥を与える方法があります。これがコクのある果汁の旨みに大きく影響しているのですが、これをただ与えるのではなく、樹を丸く剪定することで、万遍なく液肥が下に垂れ、細根(さいこん)という細かい根が養分を吸収してくれるのです。そのため、この細根が表面にたくさん出るよう適度な乾燥状態になるよう土壌の水分管理も工夫するのです。保水力のある土壌、ない土壌など、環境に合わせてもみ殻にするのか敷き藁にするか、など細かい技術が詰まっています。
実はこの液肥は澳さんの情熱の結晶の1つなのです。まだ若いころ、樹に過度なストレスを与えずにより旨いみかんを作るためにはどうしたらいいか試行錯誤している時、全国の液肥メーカーを歩きまわり、元々は海藻用の液肥として使われていたものだったのに目をつけたのが始まり。担当者と仲を深め、みかん用に改良をお願いし、長い年月をかけ作り上げました。多くの人を魅了するみかん、それは生産者のとてつもない信念と時間をもってして形になったものでした。
経験と技術を掛け合わせ
自然と共存しながら
美味しさを引き出す
これこそが
『葵クラブのみかん』
昨今の気候の変化の激しさは本当に未知数。
いままでの常識は通用しない時代に突入してきました。
それでも、葵クラブは健康なみかんの樹を育て、毎年美味しいみかんを私たちに届けてくれます。技術を用いて天候を制し、みかんの美味しさを最大限引き出す。これこそは葵クラブの腕利きたちだからこそ為せる技です。
出荷は10月下旬の「ゆら早生」から始まり、11月に入ると「あおい1号(肥のあけぼの)」、「あおい2号(木村早生)」、12月ごろから「宮川早生」と品種リレーしていきます。みかんは品種で語られることが一般的には少ないですが、樹のポテンシャルを最大限に表現しようと栽培している葵クラブだからこその品種による、果汁量や薄皮の薄さ、甘さの質などの違いも是非味わっていただきたいポイントの1つです。
それでは、言葉では伝えきれない、糖度だけでは測ることのできない「旨み」が詰まった葵クラブのみかんを今年も自信をもってお届けいたしますので、是非お楽しみください。
文:(株)食文化 冲田 篤史