1966年創業 宮城県塩釜市の干物店
間宮商品の「うみ茶漬け」
マニア商店?
こだわりすぎる
干物屋・間宮商店
1966年、初代社長の間宮明夫氏が、当時東洋一とうたわれた塩釜港でマグロと干物を扱う間宮商店を開業しました。最初に間宮商店を有名にしたのはサンマの干物。刺身にできるほどの活きがよく、脂ののった地元の原材料をつかったこの干物は仙台市場で話題になっていきます。二代目の徳昭社長の代になると、築地市場でセリ人として修業した目利き力を活かし、世界の海から厳選した魚を仕入れるようになります。魚の詳しさ、マニアックな機材、ひたむきな加工のこだわりから、地元では「マニア商店」と呼ばれたりもする、こだわりの干物屋・間宮商店です。
「ひものは9割が素材の力」
世界の海から
厳選した魚と干す技術。
「ひものは9割が素材の力」を合言葉に、北は北海道の礼文島、南は長崎県の松浦港まで、良い魚が水揚げされる全国の港に足を伸ばし仕入れを行います。その場ですぐに魚を捌き、鮮度・脂・大きさなどを確認し、これぞというものだけを仕入れます。とは言え、うまい干物を作るのは魚さえ良ければおいしくなるほど単純ではありません。こだわりの熟成製法で、魚のうまみを凝縮させます。
①薄い濃度の塩水に長時間漬け込み、塩味を入れると共に灰汁を抜き雑味をとる
②最長10時間(一般的な作り方は1時間程度)かけてゆっくり乾燥し、余分な水分を除去し、うま味を凝縮する
間宮商店の干物は、一言で言えばじっくり時間をかけて製造しています。時間をかけることで、表面がパリッとし、中はふっくらとした食感のうまみが詰まったジューシーな干物ができ上がります。
熟成し旨味が
濃くなった干物を使った
お茶漬け作りにチャレンジ
今回、製造にチャレンジしたのは、大ぶりに切った自慢の干物がたっぷり入ったお茶漬けです。ここにも工夫があります。通常の干物よりも少しだけ乾燥を弱くし、しっとりとした食感に仕上げています。出汁は魚の旨味を引き立てる昆布だしをベースとし、料理酒を加えることですっきりとした後味に仕上げ、料亭で最後にいただくような味わいに仕上げています。熱湯をかけて少し柔らかくなると、ほろほろっと崩れ、ご飯にほどよく混ざります。干物が主張しすぎず、お茶漬けにしたときに絶妙なバランスになるように仕上げました。
具材は、肉厚なアメリカのキチジ(キンキ)、国産の良質な金目鯛、全国的に有名な宮城県の銀鮭。そして同じく地元宮城・前浜で獲れるカマスです。干物に徹底的にこだわった間宮商店が作るお茶漬けの名は「うみ茶漬け」。お茶碗にのった見事な干物たちは堂々として、壮大な海を感じさます。