プロジェクト5
初物食いの一番手!初夏が旬の鰹
鰹の旨さと魅力に迫る
【江戸っ子番付最高位】
初鰹を食べれば750日長生きする?!
江戸時代に出版された『初物評判福寿草』という番付で、最高位の極上上吉に選ばれていたのが初鰹です。
初物とは縁起物。初物を食べると75日寿命が延びるとされる中で、初鰹だけは750日も寿命が延びると言われていました。有名なのは、「女房を質に入れても初鰹」と珍重した話。
蜀山人の記録によると、文化9年(1812)3月25日、日本橋魚河岸(現在の築地市場の前身)に初鰹が17本入荷し、6本は将軍家が、3本は2両1分で八百善、8本は魚屋へ、その中の1本を歌舞伎役者の中村歌右衛門が3両で買ったと記録されています。
もっとも、この取引記録は幕府が定めた鰹の取引期間(5月から)前の闇鰹です。
現在の貨幣価値に換算すると、文化年間の3両は、現在の100万円前後です。 それでも、初鰹を食すことで、750日寿命が延びるのであれば、百万円も安いものです。
こんな歌も残されています。
「初鰹 銭とからしで 二度なみだ」
当時は冷蔵技術がなかったため、
殺菌作用の強い辛子で食べるのが一般的でした。
値の張る鰹に涙して、辛子の辛さに涙する…当時の様子が垣間見えますね。
上り鰹はいつ食べるのが正解か?
”戻り鰹”が何なのかご存知でしょうか。黒潮に乗り、群れをなして太平洋を北上した鰹は、秋が深まる頃になると、今度は南方の海に向かって黒潮を下る。これが”戻り鰹”」です。
一方、春から初夏にかけて食すのが上り鰹です。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」江戸中期の俳人・山口素堂( 1642 〜 1716 )が詠んだ詩です。
この頃の鰹には脂はのっていません。まさに赤身旨さを堪能するのが上り鰹です。
上り鰹の中でも、本当に旬の走りをいただくのが、初鰹、ということでご理解いただくとよいでしょう。
上り鰹の旨さとは何なのか?
身が引き締まり、さっぱり爽やかな旬の初鰹。冬に遠い南洋で産卵し、1月頃から黒潮に乗ってはるばる日本まで来た初鰹は、余計な脂肪がそぎ落とされ、身の締まったさっぱり爽やかな味わいです。
初もの好きの江戸っ子にとっては、戻りガツオは野暮ってなもの。脂が少ない分ちょっと血生臭さが強い初鰹のほうが、余計に生気がみなぎるってもんでえ!というわけで、通が上り鰹を好む理由は、この”粋の文化”にあります。
鰹の良し悪しは、
切ってみないとわからない
鰹の難しさは”開けて”みないとわからない点にあります。なかには身の一部分が石のように硬く変質したものが出てくる時があるのです(これをゴリと呼ぶ)。青臭さもあります。それらは外からでは見分けがつかず、包丁を入れるまで絶対にわからないものです。画像の赤く囲っている部分、こういう魚体は身質が悪いものです。極上の鰹を買うには、日々、こまめに買える状態、商売がうまく回っている状態でないと成立しないのです。
当店では3.5kgUPの上質な鰹を確保し、
切り分けてお届けします
極上の鰹を買うなら原魚で3.5〜5kgものを選ぶこと。
これは鉄則です。
この位のサイズともなると料亭を中心に買われていきます。
(スーパーなどに並ぶものは、1〜2㎏の小型サイズ)
その理由の一番は香りの余韻。とても香り高く、口の中で余韻が続きます。さらに、この位のサイズだと、サクから切り身にした時に一口で入る大きさに切れるからです。さらに身質が良く、ねっとりと舌にからみつく食感が味わえること(10kg級など大きすぎると大味になる)、
皮も食べられる(同じく大きすぎるとかたくて食べられない)、
等、全体バランスが良いからです。
当店では漁法が一本釣りかつ、航空便で仕入れた鮮度抜群の4〜5kg級の鰹を1/4にカットしたもの、半身、1尾単位で販売いたします。
鰹は鮮度が良いうちに、まずは皮付きの刺身で、
次にたたき、最後はてこね寿司や漬け、茶漬けで味わい尽くしてください。
旬のタマネギ、にんにくのスライスとの相性も抜群です。
旬の美味を食すのは本当に幸せなこと。
本当に長生きできるような気がすることでしょう。