プロジェクト⑧
料理人が使う活魚・神経締めされた魚の魅力
魚の旨さは、魚のもつ旨味や脂の違いもあるのですが、私がそれ以上に大事だと感じるのが「鮮度」です。うまい鮨を出す店は、魚屋や市場にあるような臭いがったまったくしません。魚=生臭いというのは、当然なのかなと思ってましたから。これには驚きました。 臭いと旨さと食感は、鮮度とどのような関係があるのでしょうか?
鮮度の良い魚は臭いがせず
旨さを純粋に楽しむ事ができる
魚は生臭いものというのは勘違いです。 魚の臭いは時間の経過により腐敗する事から生じます。プロの料理人が使う魚は、鮮度の良い魚を入手しその臭いの元となる血や内臓、粘液などを徹底的に取り除き、さらに保存の仕方も工夫しています。だからおいしいのです。 家でうまい魚を食べるには、臭いがしない鮮度の良い魚の入手が不可欠です!
活魚の魅力はブリブリとした食感
ご存知の方も多いかと思いますが、あまりに鮮度が良すぎる魚は味が薄く感じる事があります。実際、食べ比べをすると締めてからしばらく経った魚の方が旨味は濃いのは確かです。
しかし不思議なもので熟成が進みうまみが濃くなっても、食感が悪い魚はおいしく感じません。
ある程度の噛み応えがないと、うまい魚を食べている気分にならない
のです。少し熟成させてもおいしいですが、鮮度の良い魚は是非ともこの食感を味わってください。
ご家庭で少し寝かせて
旨味を引き出しても良い魚もあります
ヒラメや鯛、フグなどの白身の魚はさばきたてよりも1〜2日程度は時間が経った方が旨味が増します。
食感もさばきたては強すぎて噛めないほどなので、時間が経った方が程よくて良いです。
しかし、これは「処理してから」数日置くという事で、内臓など取り除く前ではありませんのでご注意を。
ちなみに、マグロなどの赤身の魚はうまく処理すると2週間位日持ちます。
サバやカワハギ、イカなどは鮮度が命
鮮度が命の魚もあります。 まずサバなどの青魚。関サバを代表する九州のサバは現地では刺身で食べます。
締めたてのカワハギのプリッとした食感と臭みのない澄んだ肝の味わいは絶品です。カワハギは、産地で食べる味と東京で食べる味の開きがある魚の典型です。
イカも熟成がきかない魚で、できるだけ鮮度の良いものをサクサクした食感の内に食べるのが美味です。
産地で食べる魚と遜色ない魚を味わってもらうために
1.活魚を発送前に締めたもの
2.産地で神経締めしたもの
3.活魚を瞬間冷凍したもの
の3つをご用意しました
活魚は港から加工場まで生きて運ばれてきます!
獲れたての魚の加工品は食感が違う
切りたての魚を漬けにした商品、食感が素晴らしい
料理人が使う、活魚・神経締め&血抜きされた魚をぜひお試しください。魚が好きになりますよ。
「鮮度の良い魚」には3種類あります。
1つが活きている魚で、2つ目が神経締めなど鮮度を保持する処理がされている魚、そして3つ目が産地の鮮度のまま瞬間凍結された魚で、最近では大変おいしくなっています。
こういった魚はほとんどが鮨屋や料理屋さんに行き、一般のスーパーなどで扱われる事はほとんどありません。この鮮度の差が一般の魚とプロ用の魚の最も大きな違いです。是非その違いを味わってみてください!
文:井上真一