熊本県芦北町
梶原敏弘さんが作る
雑味のない柔らかな味の和紅茶

日本の紅茶は、緑茶の品種から作られる
インド・スリランカに無い、柔らかな風味が特徴
紅茶に使われる茶葉は大きく2種類、中国種とアッサム種があります。中国種は渋みが薄くキリっとした後味の紅茶になり、アッサム種は渋みとコクのある深い味わいになります。

熊本の県南芦北町の山奥にある在来種の茶畑、美しい

生産者の梶原敏弘さん

和紅茶の多くは緑茶の品種(中国系の種)を発酵させ作られています。海外の中国種の紅茶に比べると、さらに渋みが少なくあっさりした味わいなのが特徴です。海外の紅茶はミルクティやチャイなど、紅茶に何かをプラスして飲まれてもおいしいのに比べると、日本茶はリーフティで楽しむのに適していそうです。
もちろん、生産地や生産方法、加工の方法によって味わいが変わるので、品種とそれから作られる紅茶の味は一様ではありません。そこがまた奥深く、ファンを魅了するのです。
熊本県芦北町の奥深く
人里離れた場所で静かに作られる紅茶

喫茶の歴史は極めて長く5400年前の中国ではすでに飲用されていたと言います。そこから世界各国に広がり発酵の具合や飲み方などが地域の好みに合わせて少しづつ変化していきます。
梶原さんが営む「お茶のカジハラ」が釜炒り茶を製造し始めたのは昭和25年、紅茶の製造は平成19年に始まりました。紅茶は緑茶には無い「発酵」工程があるのが特徴なのですが、この発酵を生み出す工程の奥深さに梶原さんは魅了されます。
梶原さんが目指すのは
雑味のない柔らかな味
茶葉を摘み発酵させ紅茶が完成するまでの工程は以下のようになります。摘採→萎凋(いちょう)→揉捻(じゅうねん)→発酵→発酵止め→乾燥→荒茶→選別→仕上げ乾燥→完成
紅茶は茶葉を発酵して作られるものですが、この発酵の工程は上記の発酵の部分だけで行われるわけではなく、全工程で少しづつ変化していき、すべての工程が味に影響します。
葉をできるだけ切らずに
葉脈から水分と共に雑味を抜く

紅茶作りの全工程の中で最も重要なのが「萎凋と揉捻」です。この2つは茶葉に圧をかけながら水分を抜いていく工程なのですが、この時に化学変化が起こり、紅茶らしい香りが生まれます。この工程は大変奥が深く、表面だけ水分が抜けた状態と中から均一に抜けけたのでは発酵の仕方が変わり、香りや味がまったく違ってくるそうです。 梶原さんの萎凋と揉捻は中国茶の工程を参考にしており、ミルクなどを入れない「ストレートで飲んでおいしい紅茶」を目指しています。
ストレートで飲んでおいしい紅茶とは?

紅茶の飲み方は、世界全体で見ると砂糖・ハーブ・レモン・ミルクなどを入れて飲むのが主流で、何も入れずに楽しむ国は案外多くありません。日本でお茶と言えば緑茶。日本らしい紅茶とは葉から抽出される甘さ・香りなどを純粋に味わう、緑茶のような楽しみ方ができるものだと思います。梶原さんが目指すのはこのような和紅茶です。紅茶らしいタンニンの渋みはあっても雑味なくすっきりとした味わいを作り出しています。
梶原流の和紅茶の飲み方・楽しみ方
梶原さんは中国製の茶器を愛用し紅茶を嗜んでいます。飲む器にこだわるのも楽しそう。
梶原流の和紅茶の種類と特徴

在来種夏摘み
オーソドックスな紅茶。渋みが無くほのかな甘み
発酵度:高

在来種夏摘みティーバック
お湯を注ぐだけでおいしく召し上がれます
発酵度:高

べにふうき秋摘み
軽い味わいと花香
発酵度:高
