福島県 伊達桃の品種リレー
時期による味の違いを体験してください
福島には、岡山同様に「桃太郎伝説」が残ります。阿武隈川を流れてきた美しい桃を老夫婦が食べ、若返り桃太郎が生まれ、鬼を退治する物語です。真偽のほどは解りませんがこの伝説は江戸より昔の話ですから、古くから桃に親しんできた土地であることは間違いありません。
その福島を代表する品種が「あかつき」です。>8月の上旬〜下旬が旬ですので、お中元などにも使われています。あかつきは、昭和27年に農林水産省の果樹研究場で開発されました。味も日持ちもいい「れ-13号(白桃×白凰)」という品種でした。「れ-13号」は福島県を含む、桃の生産県で試作が進められました。この桃は大変食味がよかったのですが小玉になる傾向があったため、各県は商品化は無理と見切りをつけて栽培を中止しました。
その時にたった一県、最後まであきらめなかったのが福島県です。福島の桃を語るのであれば、この桃は絶対に食べて欲しいですあかつきはその後、福島でどんどん栽培面積を広げていきます。
また、あかつきを親とした品種も出てきます。「暁星(ぎょうせい)」は、あかつきの枝変わりで生まれた品種です。あかつきよりもさらにひと回り小さいのですが、その分更に緻密になり、甘さはあかつきを上回るほどです。7月の中旬〜下旬、福島の桃の最初の頃に味わえる品種です。福島の桃は9月・10月まであります。
JAふくしま未来では9月のの「ゆうぞら」などが最後の品種になります。ゆうぞらは「白桃」に「あかつき」を交配して生まれた品種で、こちらもあかつきの子になります。あかつきよりもさらに緻密でしっかりした果肉になります。
10月の桃は、個人の生産者が中心になります。ここからは「固くて甘い」桃の全盛期です。関東や関西の桃には少ない、収穫したては「リンゴのような食感」の桃なども登場します。菱沼農園で作る「桃水」などは、固さも最高峰ですが甘さも最高峰。試食検討会で「甘すぎる」と言う意見も出たそうです。固い桃も福島ならではですので是非お試しください。