日本一のすもも部会を目指して
山形県JAさがえ
西村山すもも部会
「JAさがえ西村山すもも部会」では、7月初旬から品種リレーをして10月中旬まで様々なスモモを栽培しています。
主産地の大江町は、冬の雪が1〜2メートルも積もる土地です。種は雪解けとともに自ら堅い殻を割って力強く芽を出し、1年で2メートルも枝が伸びるそうです。
産地を訪問した7月下旬は、炎天下のお昼過ぎにはとても外で作業が出来る状態ではないほどの暑さでした。そんな中、雪の重さで半分折れた枝にも鈴なりに実をつける、生命力の強いスモモがとても印象に残っています。
日中の気温は高いですが、盆地特有の気候で、昼夜の寒暖差が大きくなり甘いスモモが育ちます。
オリジナル品種を
15種類も栽培
ブランド化の中心人物
部会長の渡辺誠一さん
およそ1,000本の実勢のスモモから選ばれた新品種がつぎつぎと生み出され、部会では年々生産量が増えています。
そして、この地のスモモに可能性を感じた新規就農者を迎え入れ、積極的な産地化で注目を集めています。
部会長の渡辺誠一さんは、新品種を次々生み出し、産地のブランド化をおこなってきました。渡辺さんは20歳からすもも栽培を行い、その道40年近い大ベテランの生産者。すももだけで4ヘクタールを栽培しています。
もっと美味しい
スモモを育てたい
山形県の新しいスモモ
在来品種の多くは、7〜8月に出荷されますが、山形県では常識外の秋のスモモを栽培しています。
果物における8月は桃が終盤、梨・葡萄が出てくる時期です。そんな中、あえて9〜10月のスモモを開発し作り続けてきました。
2000年代の中頃に、渡辺さんは「遅い時期のプラムはいらない」と言われ、悔しい思いをしたそうです。
しかし、果肉が締まり、糖度が高い晩生種のスモモに可能性を感じていました。
今ではそんな渡辺さんを中心に、スモモ栽培に可能性を感じ、全国から人が集うようになりました。東京出身の方で、移住してスモモ専業農家になった生産者もいるほどです。
長い間、樹上に置かれることで甘さが増した秋のスモモ。今後、新たな山形県の目玉になる農作物として期待せずにはいられません。是非お楽しみください。