今、私たちが、果物の次代を担う優良生産地の一つとして注目しているのが新潟県です。昨年来いろいろな新潟の果物を試食してきましたが、とくに桃とスイカと梨には衝撃を受けました。10年以上果物の仕入れに携わっているメンバーも「新潟の果物はどれも美味しい」と言います。これまでは県内消費が多く、全国流通は少なかったとのことですが、もったいない。ぜひこの美味しさを知ってほしいのです。今年(2023年)は圃場にも伺って味を確認させていただきました。ですから自信をもっておすすめいたします。
㈱食文化 大村
最高ランクの桃
一糖賞です
JA新潟かがやき フルーツフラワーしろねで、糖度13.5度以上で選果した特秀品ランクを『一糖賞(いっとうしょう)』と呼びます。シーズン通して集荷された桃の中でも上位5〜6%と限られた桃だけが該当します。 ちなみに梨の特秀ランクも一糖賞と名付け、JA新潟みらいのトップブランドとしています。
新潟の桃が美味しい理由
その1
5月6月の日照量が桃をはじめ果物を育てるのに適しています。夏に収穫する桃は4月に花を咲かせ、子孫(果実)を残そうと5月6月に栄養素を生成します。この時期に光合成をしっかり行うことが重要です。
新潟の桃が美味しい理由
その2
信濃川、中之口川流域は肥沃な土地で土の性質が果物の栽培に適しています。 地下水の水位が高く、粘土質のため水はけが悪く樹は大きく育ちません。樹の成長ではなく子孫を残そうと果実に栄養が多くいくため、美味しい桃に仕上がります。
新潟の桃が美味しい理由
その3
周りを山々に囲まれているので、昼夜の寒暖差が桃の糖度をぐっと引き上げます。7月上旬で日中が28℃、夜間が19℃と約10度の温度差があります。
200名ほどのメンバーで構成された「しろね果樹部会」。土作り、枝作りに時間をかけ、愛情を込めて桃を育てています。
笠原さんは桃に当たる日照量を考え、葉の枚数を調整しています。機械には頼れない作業のため、1枚1枚、人の手で考えながら調整しています。
「自慢の桃をもっと全国の皆様に知ってほしい。食べたらわかる」とおっしゃっていました。
品質が高い、
間違いのない美味しさ
収穫された桃は選果作業員が傷や病気の有無を確認した後、透過式光センサーによって糖度、熟度、着色の検査をしてランクを分け、1玉1玉丁寧に箱詰めします。 透過式光センサーは、桃の内部(種のところ)まで糖度を計測でき、複数の測定部位の糖度を平均値とするため、部位による甘さのバラつきは極力小さく、品質が安定しています。
化粧箱は産地から直送します
ギフトにも最適な化粧箱入りの一糖賞は産地のJA新潟かがやきからお届けします。収穫した桃をその日のうちに選果し箱詰め、伝票を貼って出荷します。
※のしは「お中元」のみ承っております。
▼新潟の桃のラインナップはこちら
桃を美味しく食べるには・・
一般的に桃は出始めの7月頃の品種は果肉が柔らかく、9〜10月にかけて硬くなる傾向があります(最後の方は柿のようなカリッとした食感の品種もあるほど) 早生の樹上で完熟させた桃は、受け取った直後に冷やして食べても美味しいですが、後半の桃の多くの場合“追熟”させることで果肉が柔らかく甘くなり、より美味しく食べられます。 ポイントは「熟れ具合を見分ける」こと。以下の2つで確認してください。
① 軸がついていたくぼみの内側の色を確認
桃を手の平でひっくり返して、軸のついていた方を上にします。未熟な桃は軸がついていたくぼみの部分が緑色をしています。食べ頃になるとこの部分が徐々にクリーム色に変化します。
②くぼみの内側の硬さを確認
くぼみの部分がクリーム色に変わったら、くぼみの内側をそっと押して見てください。果肉にやわらかさが感じられれば食べ頃です。まだ硬いようであればもう数日、常温で追熟してください。
【ご注意ください】
※追熟は必ず常温で行ってください。風通しのよい日陰が最適です。冷蔵庫で冷やすのは食べる2〜3時間前がおすすめです。
※桃は収穫してから熟れはじめます。保管状態や気温、あるいは個々の桃によって差があります。
桃パフェのようにグラスに美しく飾るなど
アレンジを楽しみたいときにおすすめです。
桃の楽しみ方
完熟で食べきれない際には、皮をむいてカットして密閉袋に入れ、冷凍してください。シャーベット状でそのまま食べるもよし、桃スムージーを楽しむもよし。
皮と果肉の間が一番味が濃くて美味しいので、スムージーにする際は皮ごとカットして冷凍するのもよいでしょう。桃は乳製品との相性がいいので、牛乳やヨーグルトでスムージーにするのもおすすめです。
一糖賞は一度食べたらその味に魅了されること間違いありません。たっぷり産地箱で届いてもあっという間に食べられてしまいます。
文:大村 花恵(食文化)