小林茂久さんの
『小布施栗』
全ての栗を触って・見て、
間違いのない栗をお届けします。
長野県北部に位置する小布施町。自然豊かで静かな環境は、江戸時代の絵師
葛飾北斎が気に入り江戸から引っ越してきたと言います。“画狂老人卍”と名乗り最晩年を過ごしたこの地は今も当時の情緒を残す、ゆったりとした時間の流れる町です。そんな小布施の名産は何といっても「栗」
この地の特徴である酸性の土壌は稲作や畑作には適していませんが、栗や果樹には最適な環境だったのです。更に日当たりの良さと昼夜の寒暖の差が美味しい栗を育み、小布施の栗はその名を轟かせ、今や全国の甘味処が求める最高品質の栗として扱われています。
菓子職人が絶大な信頼を寄せ、伊勢神宮外宮にも奉納される
名人小林さんの作る小布施栗
栗の名産地小布施で、若手ながら一目置かれる生産者がいます。小林茂久さんは東京で金融系の営業マンとして勤務していましたが、実家の栗栽培の面白さに触れて一念発起。2011年に就農し、以来栗一筋の人生を送っています。
「僕の栗を買ってくれた人に、失礼なことはできない。」
という責任感と信念をもって美味しい栗を育てて、届けることにすべてをかけています。
その品質の高さで、有名な甘味処に懇意にされ、さらに小林さん独自の挑戦として伊勢神宮外宮へ毎年奉納し、高い品質の維持に努めています。伊勢神宮売外宮奉納の印が小林さんの誇りです。
◆伊勢神宮外宮奉納歴
平成31年3月
令和2年11月
令和4年3月
令和5年3月
令和6年3月
大切な栗はすべて手作業で
収穫・殻むきをします
9月下旬から、栗の収穫が始まります。
小林さんはとにかく手作業にこだわります。買ってくださったお客様にお届けする栗を粗末に扱うことはできないと、栗用の分厚いゴム手袋を身につけ、自然落下した栗をひとつひとつ手で収穫。その場で手作業でイガから外し、自身の手と目で選果をします。
作業効率を優先すれば、落下した栗を金属製のトングで収穫したり、足でイガから外したり、機械で選果したりと様々な方法がある中、小林さんは時間を惜しまずひとつひとつを手作業で行うことを徹底しています。
剪定に始まり、剪定に終わる
ふっくらとした大粒栗を
生み出します
品種は大粒で味も良い人気の銀寄や筑波。それにしても、小林さんの栗は大きいだけでなく全体的に厚みのある姿で、見事です。
小林さんは、その類まれな剪定技術で栗の木を自在に仕立てあげます。「剪定に始まり、剪定に終わる」。そう話す小林さんの栗園は、大きく枝を伸ばしていても、すべての葉に光が当たるように設計されています。樹の中まで太陽が入り光合成が促進され栄養が凝縮。他の生産者よりもずっと大きくふっくらと、そして甘味・風味が強く、食感が滑らかな素晴らしい品質の栗を生み出します。
地域の人たちから管理を任された圃場も、小林流の剪定により大粒栗を生み出すようになるのです。
全ての粒を触る、そして見る。
間違いのないものを選び抜く。
収穫後は選別に入ります。小林さんは文字通りすべての栗を触り、選び抜いています。選別機でサイズごとに分けるのですがその際にすべての栗を触り、重さや形を厳選していきます。少しでもいびつなものや軽いものは出荷しません。更に1粒1粒を眼鏡型ルーペで丁寧に検品します。穴やキズがあるものはもちろん、皮が薄いものなども均等に栄養が言っていないとして除きます。
これをすべての粒に実施します。それも3回の選抜を行うというのですから、まさに途方もない作業。
この品質に菓子職人も惚れ込むのです。
地元の名店 小布施堂も
「名前の書かれた栗だ」と
信頼を寄せます
小林さんの栗は地元小布施の名店「小布施堂」にも納品されています。小林さんの栗の魅力をお伝えするために、取材に協力してくださいました。仕入れを統括する金石さんは「小林さんの栗には名前が書いてあるようだ。品質・量が安定し安心して仕入れることができる。」と話します。
常に高い品質で責任をもって納めてくれる小林さんの栗は、店の味に欠かせない品として信頼をおかれているのです。
小布施堂のおいしさの
一役を担う
小林さんの栗
小布施で明治期に創業した「小布施堂」。高い基準をもって栗菓子作りを手掛ける名店です。古風な外観のお店と受け継がれてきた伝統の美味しさで、小布施の栗の魅力を今に伝えます。小布施堂の栗菓子を目当てに、平日でも多くの人が訪れます。名物である栗点心「朱雀」や洋菓子「朱雀モンブラン」、伝統の栗きんとん「栗鹿ノ子」などお店の看板商品に小林さんの栗も使われています。
2024年(令和6年)も大粒の
美味しい栗をお届けします
熟成を行い10月末から出荷を開始いたします。「2024年は収穫量は少ないですが、味は抜群に仕上がっています。1年のすべてを注ぎ込んだ栗をお楽しみください!」と力強いメッセージをいただきました。
小林さんの栗は焼き栗にするだけでも、風味の違い・果肉の滑らかさの違いがストレートに感じられます。
ぜひお召し上がりください。
(文章・産地写真:八尾昌輝 商品写真:八木澤 芳彦 写真協力:株式会社 小布施堂)
菓子職人も一目を置く小林さん
大粒で艶やかな栗です
伊勢神宮外宮にも奉納されています