新潟県・豪雪地帯で
雪解けを待ち、春に収穫
甘くて、みずみずしい
津南の雪下にんじん・猛烈においしい人参ジュース
新潟県津南町は日本一の積雪量を記録した、豪雪地帯です。3メートルもの雪が積もる山地にその地域ならではの栽培方法のにんじんがあります。じっくり雪の下で約3か月耐えたにんじんはもの凄く甘く仕上がります。春先のほんのわずかの間だけ楽しめる希少なにんじんです。
雪の下でじっくり春を待ちます
7月に種まきをし、通常であれば9月頃に収穫されるにんじんを雪の下で春を待ち収穫します。雪の下は0℃に保たれるため凍ることはありません。驚くことに葉っぱも緑色でシャキシャキしています。越冬することで甘みや旨みの成分であるアスパラギンなどのアミノ酸を蓄えます。さらに雪の下は湿度が高いためみずみずしく歯切れのよい食感になります。
津南町は内陸準高冷地という地理的特徴から、にんじんの肥大期である9〜10月の昼夜の寒暖差が8℃もあります。11月になると一気に冷え込み、最低気温は10℃前後。この時期の好条件がにんじんを美味しく生育させており、雪の下でさらに美味しくなるのです。
偶然が生んだ雪下にんじん
きっかけは1983年のこと。津南町では雪が降る前の11月上旬ににんじんを収穫していました。この年は例年より雪が早く降り大雪になったため、にんじんが収穫できませんでした。春になって雪が解けたころ、畑ににんじんが腐らずに残っていました。食べてみるとものすごく甘く、こちらの方が美味しいということでこのような栽培方法が採用されるようになりました。
▼収穫の様子
巨大な重機を使って、雪かきをします。雪かき専門の業者が雪を分厚く積もった雪をどかします。
こんなにも降り積もっているのです。除雪作業だけでも一苦労です。
やっと地面が見えてきました。最後はスコップで人参を掘り起こします。
しっかりと大地に根を張っているのでなかなか抜けません。傷をつけないよう1本1本、手作業で収穫します。
鮮やかなオレンジ色です。色が濃いです。
この津南雪下にんじんは
鮮度が重要です
とてもみずみずしく、パリッとしています。津南雪下にんじんは水分が抜けてしまうとこのおいしさが伝わりません。そのため、鮮度が重要です。雪解けの3月上旬から、地温が上がらない4月までだけ楽しめる、旬の食材です。
にんじん嫌いの私が
オススメする
甘く澄んだ味
まずはフレッシュのまま食べていただきたいです。サラダや野菜スティック、バーニャカウダーがオススメです。パリッとした食感とみずみずしさを感じてください。嫌な青臭さはなく澄んだ甘さを感じます。にんじんが嫌いな私でも美味しく食べることができました。にんじんの概念が覆ります。
旬の短い津南雪下にんじんが
1年中楽しめる
にんじんジュースです
津南雪下にんじんは生でもおいしいのですが、ジュースにするとその真価を発揮し1年中楽しむことができます。自然の甘さとは思えない果物のような味わいのこのにんじんジュースは、原料が少ない上に加工施設も小さく、大量には生産できないため一部の人にしか知られていませんでした。
この津南町雪下にんじんジュースは、形が悪かったりキズがついてしまってそのままでは出荷できないものを使っているのでフードロス削減でもあります。
シンプルに絞っただけではなく、少量梅エキスを配合することでにんじんの絞り汁が極上のジュースに変化します。
ジュース1本ににんじんが約1〜2本使われています。
文:大村 花恵(食文化)
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