圧倒的な秀Gクラス
宝石にいちばん近い果実
ルビーロマン

「ルビーロマン」は、石川県限定のブランド品種です。
世界一高価なぶどうとしても有名です。
栽培にはかなり手がかかりますが、大切に育てられたルビーロマンは宝石のように鮮やかなルビー色を放ちます。
一粒が30g以上と巨粒なGクラスは生産量全体の5%とかなり希少です。


作られるのは3枝からたったの1房
化粧箱に入れられる大房で上質なぶどうは、1つの枝に1房のみを残すという贅沢な栽培方法で作られます。
しかし、ルビーロマンはさらに房落としをし3つの枝に対して1房まで厳選して作られています。仮に全量無事に育ったとしても、収量は3分の1です。
ここまで房を少なくする理由は1つ。
1房に養分を集中させ、美しいルビー色を発色させるためです。当然、糖度は上がり粒も大きくなります。
断腸の思いで、切り落とす


色づく前の段階に、"1房160万の値が付くかもしれない”ルビーロマンの子供たちを次々と切り落とします。
試験場の伊須さんは「今、心を鬼にしてそぎ落とさないと、最終的にルビーロマンが出来上がらない。
これ以上大きくなると、もっと気をもむことになる…」と話します。

ルビーロマンの品質を維持しているのは
「会員制」の生産者クラブ
「ルビーロマン」は、石川県農業総合研究センター砂丘地農業試験場が14年の歳月を費やして育成した大切なぶどうです。
門外不出であり、品質レベル保持のため「会員制」の生産者クラブに入会の許可が得られた人しか作る事ができません。
面積あたりに対する収量は少ないので、栽培に失敗した時のリスクは計り知れません。
本気の生産者たちだけが集い、品質を守ります。

厳選した1房
さらに粒を抜いて甘く大きくしていく
大粒で美しい房型を目指します。 粒が太った時に混みあわないよう、何度も摘果・摘粒を行います。
木や房ごとに粒の太り方も違います。どの粒を抜けば綺麗な形になるというマニュアルはありません。
一房一房に向き合い、最後のプロポーションを想像しながら粒を落としていきます。
摘粒の技
「秘儀!ルービックキューブ」

写真は食文化・井上

しかし品質を上げるためには仕方ない


粒をカチャカチャと動かす

さて、このまま美しく育つか

美しい。
摘粒後、空いたスペースに対し、ルービックキューブのように粒の配置換えを行います。 これは造形美を作る職人技です。 粒を減らすと大粒にはなりますが、大房になりにくい。粒が多いとその逆になりやすい。 理想形の「房が1kg近くあり、かつ大粒」なルビーロマンを作るのは至難の業です。

ルビーロマンは
ルビー色に仕立てる
ルビーロマンの最大の特徴「ルビー色」を発色させるためには、 適度な日射と適温が条件が必要です。
一日何度もハウスの開閉をし、袋掛けやビニール掛けをして温度や湿度といった生育環境を整えます。
ルビーロマンは、ブルーム(果皮を守る表面の白い粉状のもの)がありません。
果皮は艶があり、ピカピカと光沢が出ます。自然物と思えないほど美しいです。
その分、雨に打たれると簡単に実が割れてしまいます。商品価値がなくなります。
産地では大切に屋根付きのハウスで育てられているのです。
美しいルビー色に仕上がったルビーロマンは
ゆうに18度を超える甘さです。
ルビー色は美味しさの証です。


初セリの100万を超える1房は、料亭や高級旅館に行くことが多いようです。
数粒のルビーロマンをのせた一皿は、技巧を凝らした料理に引けをとらない一品になるのです。
ルビーロマンはそういう葡萄です。
心してご賞味ください。