リアス式海岸の下北半島で育まれた「泊のウニ」が塩ウニで登場
青森県六ケ所村泊地区で受け継がれてきた昔ながらの製法で作られた「甘塩うに」です。
キタムラサキが主ですが、バフンウニの赤も混ざり、見つける楽しさがあります。
生うには生の状態から水分が絞られ約半分になります。うにの旨みが凝縮する塩うにこそ、その本領を発揮します。
特筆すべきは甘み。他のメーカーと比較しましたが、塩気の向こうに甘みが確かに感じられます。
ふくよかな磯の香りが鼻腔を抜け、ご飯や、地酒とも相性が良さそうです。
昔から泊地区では、獲れたてのウニの身を塩水に浸してザルに上げ、一夜漬けにする食文化がありました。水分が抜けて旨味が凝縮するだけでなく、冷蔵庫が普及していなかった時代に日持ちさせやすいという利点もありました。
ヒバの生産地としても知られる六ケ所村は、1935(昭和10)年〜1964(昭和39)年まで森林鉄道が活躍していました。森林資源に恵まれていたことから、かつてはヒノキ樽の内側に乾燥したコンブを敷きつめて塩ウニを入れ、内陸部の米や野菜と物々交換したという記録が残されています。時代が変わり瓶詰めされるようになりましたが、泊の人々にとって塩ウニは、なくてはならない生活の糧だったのです。
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青森県六ヶ所村は、明治の町村制施行で六村が統一して誕生しました。古来からこの地は名馬の産地として知られ、地名も馬に由来しています。六ヶ所村には富ノ沢遺跡や大石平遺跡など、145ヵ所もの遺跡が確認され、うに殻も出土されています。縄文遺跡があるということは豊かな自然の恵みが昔から存在していた、ということでしょう。