林健三さんの葡萄 『アウローラ21』 長野県上田産 1房 約600g ※常温

育種家から腕を見込まれた葡萄農家

長野県上田市
林 健三さんがつくる
アウローラ21

高度な技術を持つ
農家にのみ栽培委託される
「アウローラ21」

1992年、山梨県の育種家・原田員男（かずお）氏が「アリサ」という皮ごと食べられる種なしブドウを生み出しました。
「ルーベルマスカット」と「リザマート」の交配種であるアリサは、巨大で美しい黄緑色の粒を持ち、優しい甘さ、鼻から抜けるマスカット系の香りが特徴で、その姉妹品種にあたる葡萄が「アウローラ21」です。
果皮に紅色が入る見た目から「赤アリサ」とも呼ばれ、「アウローラ21」というブランド名は、粒の大きさと甘さで、「粒が21g、糖度は21度、21世紀を代表する品種」を目指して付けられました。

粒を大きく、糖度を高め、赤と緑のグラデーション美しく仕上げるためには、高度な栽培技術を要します。
2006年に品種登録されたシャインマスカットと同じく、種無しで皮ごと食べられる魅力がありがら、現在でも、希少な葡萄である所以は栽培の難しさです。

原田氏は、「アリサ・アウローラ・アソシエーション（AAA）」を設立、講習・研修・果実の検討会等を通じて、品質を保ち、会員の栽培技術の向上を図っています。 そのため「アウローラ21」を栽培できるのは、原田氏が腕を見込み、委託した職人農家のみ。その一人が林健三さんです。

全国から苗木にしたいと
請われる樹を育てる

林さんの園地は、長野県上田市から山間の道を進み、標高およそ600mの高地にあります。 山を切り開いたような、少し勾配のある土地は、水はけもよく、昼夜の寒暖差もある果実栽培に適した環境です。

葡萄農家2代目の林さんは、40年以上続く巨峰づくりと、アウローラ21のほか、ピオーネ、シャインマスカット、クイーンルージュの栽培を中心に取り組んでいます。

特に、アウローラ21は樹齢15年を越え、全国から苗木を譲って欲しいと請われるほど、優秀な樹を育てています。
「アウローラ21に関しては、毎日様子を見なきゃならないから、自宅の近くに植えているんです。今年も、現時点では生育は順調に進んでいるが、収穫するまで本当に気が抜けない特別な葡萄です。」と言います。

「安心安全な果実をつくりたい」
という想いで
土づくりにこだわる

林さんは、有機肥料を基幹として、サンゴ化石や米ぬかなど、ぶどうの甘みと味わいを引き出すための養分をたっぷりと供給し、化成肥料は極力使用しません。

また、病気に弱いぶどうにおいて、極限まで農薬を抑えた栽培をしています。 難しい話ですが、特別栽培基準である慣行基準回数の５割を上限とし、１回あたりの濃度も通常調合される濃度よりも薄く調合しています。食べる人のことを考え、人一倍努力されているのです。

葡萄づくりを3代目に繋ぎ、
新品種の育成も着手

林さんの園地は、家族と研修生を中心に手入れを行っています。
息子さん二人は、日々林さんの技術を学びながら、それぞれに新品種の交配を始めました。

新品種の育成は、交配から実をつけるまで早くても5年はかかります。さらに、その中から、商品になる品種 を見出すというのは、途方もない取り組みですが、腕利きの葡萄農家を父に持つ二人だからこそ挑戦しがいがあり、その覚悟を感じました。

収穫ぎりぎりまで
気の抜けない希少なぶどう

改めて、林さんにアウローラ21の魅力を尋ねたところ「食べ応え、強い甘さ、ジューシーさ」と即答されます。
葡萄農家を魅了する非常にポテンシャルの高い品種ですが、まだまだ安定供給の難しいのが実情です。

実は、今年、産地でお会いした林さんは開口一番、「昨年は折角頂いた注文を対応しきれず申し訳ない。」と仰いました。2021年、予約販売したアウローラ21が収穫直前で病気になり、ほとんどが出荷が出来なかったのです。 アウローラ21を10年以上育てる林さんにとっても初めての経験でした。

2022年8月現在、生育は順調に進んでおり、今年も収穫は10月上旬の予定です。
どうぞお楽しみにお待ちください。